ロンドンくまのこ便り

読書と猫と旅行。地球の彷徨い方&キラキラしてないロンドンライフ

ミッション369日目

・無事に引っ越した&新居リフォーム(正しい英語はリノベーション)記
やはりというかなんというかのイギリスクオリティで、不具合多発(T_T)日本ならアリエネー。大体なんなの!このコンセント!向きおかしいだろ!
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前のカップル、ビューイングの時はいいじゃん!と思ったのだけどよくよく見るとやっつけ仕事の改装多い。雑〜!
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あと上の階の音(ギシギシ音とか)がものすごい響く。旦那くんが「ここ最上階だったら完璧だったね…」というほど。でもなんか慣れてきた。そしてイギリスでは壁薄いのかよくあるらしい(;´д`)
上は賃貸の家族連れみたいだけど、一体家の中で何故そんなに動き続けているのだ!?というぐらいの時も…。でも家族連れだしお子さんもまだ小さい子がいるので夜は静か。前の家は駅チカの繁華街で、24時間バスが通り、若者が夜中叫び…ヤク中っぽい人が外でひたすら笑ってたことも…ロックダウン前は階下にできたレストランが夜中までパーティー…と凄くうるさかったので、外に関しては住宅街のため驚くほどめちゃくちゃ静か。ただ、その代わりスーパーマーケットに関しては不便になったかなぁ

・ロンドンの駅員に聞いてみた
日本のニュース見て、びっくりした。


何がびっくりしたって、駅員が階段で車椅子運んでるから。でもよく見たら乗ってないで車椅子だけ…?でもそれでも…

これ、ロンドン交通局では禁止されてるんだってよ…。

そして、もし駅員が「介助できないのでバリアフリーの隣の駅に行ってほしい」と言った時に車椅子の人が言い張って例えば駅から動かなかったり物凄くごねたりして駅員の指示に従わない場合、現場の判断で交通警察呼ばれて最悪逮捕だそうです…(;´д`)容赦ねえ
※ただし、緊急避難が必要な場合はエスカレーターを一機動くように残しておき、駅員が介助するそうだけどエスカレーター壊れてたらどうするんだろう…

伊是名さんがロンドンに来たらびっくりすると思いますわ…。

ロンドンは駅がとにかく古く、建物も古いのでロンドンでは車椅子が入れない駅だらけ。なので車椅子可能な駅は予め書いてある。比較的新しい路線のOvergroundやDLR、TFL Railはバリアフリーが多いみたいだけど、中心部はエレベーターすらないところだらけ…
https://content.tfl.gov.uk/standard-tube-map.pdf
可能ではない駅はどうかというと、駅員の旦那くん曰くああやって駅員が階段で運ぶのは禁止。エスカレーターなら介助可能(日本では禁止行為だけど、こっちはベビーカーも平気でエスカレーター乗る)だけど、介助時のスタッフの編成が決まっておりよほどの特殊ケースで、通常は「車椅子可能なエレベーターのある隣の駅に行って」と言うという。てか実際に足腰の悪いおばあさんにそう言ってる旦那くん見たことある…

夫「だって隣の駅まで7分だし。タクシーもあるし。」

…そもそもエスカレーターもしょっちゅう壊れてるロンドンだから、肝心な時にエレベーター壊れてそう(-_-;;;)
近所の駅はバリアフリーなので車椅子電車通勤してる子を毎日見かける(ただ、電車とホームの間はギャップがあるので職員がいつもスロープ用意して待ってる)けど、ロンドンの車椅子の人はどーしているんだろう…バスかな〜。バスなら乗れるもんな〜。地下鉄は「Mind the gap」という通り駅によってはとんでもないギャップがあってバリアフリーどころじゃない、健常者も危ないっすよ〜

・ロンドン住宅購入雑記(間違っていることもあると思うから適当に聞き流してほしい)
そういうわけでまぁ普通にローン組んで普通にフラット(日本でいうマンション、でも我が家はアパートって感じ)を買ったんですけど、イギリスで家を購入するのは、ましてやロンドンだと日本に比べると100倍疲れると思ったのでした。
ロンドンの住宅価格は東京なんかと比じゃないレベルで、というか東京の場合は「高いのも安いのもあって選択肢が幅広い」だと思うんですけど、ロンドンの場合は「どうでもいい物件も一律に高い」って感じがする。

日本の住宅は兎小屋と揶揄されることが多いけど、実はイギリスの住宅の平均の広さは日本よりちょっと下らしい。
完全に小さくしているのはロンドンのせいでしょう…。外から見たら立派なヴィクトリアンハウスでも中は区切られていて、フラット…というところも多いし。

日本の場合は投機目的というよりどっちかっていうと夢っていうか。一生に一度の大きい買い物、という感じだと思うんですけど、イギリスの場合は完全なる投資。持ち家であっても売り払って引っ越すというのはごくごく普通。ライフスタイルにあわせたり、子供の学校問題で合わせたり…という感じ。これは「値段が下がらない」が通説だからなんですけど、バブルを知ってる日本人的にはそんないつまでも上がり続けるなんてないよなぁと思うんですけどどうなんですかね。前の家主も数年で売り払ってる。
日本では「賃貸」か?「持ち家」か?なんてよく語られてますけど、ロンドンの場合は家賃がガンガン値上がってる、また賃貸のクオリティが低いこともあって、賃貸でずっといるのは、キツい…*1

英語ではProperty ladder、日本語では住宅すごろくって言うんですけど、イギリスは公的年金が日本の厚生年金に比べると安く、皆こうやって不動産を買い替えて最終的な資産を作る傾向があり。子供が出て行ったところで小さな家に引っ越して、余ったお金を老後に使う…あるいは、EU離脱でどうなるか知らないけど、イギリスより物価や家の価格が安いスペインで海外老後…なんつー人も(そういうテレビ番組もある)

つうても、今のロンドンの若者はそのはしごに乗る1軒目も買えず、親と暮らしてる人も多い。
そのため、仕事に就いた時にプライベート年金に加入するように現在義務付けられているんですが。

まぁこのはしごに乗れないというのは大問題。なんせロンドンで今一軒家買おうと思ったら、もちろん場所にもよるけれど、フツーに億超えすることも多く。そんなところどうやって買うんだよ!っていうと持ってる不動産が価格が上がったところで売って、そのお金を頭金にして新たなローンを組むんだな(それをチェーンという)。最近のロンドン不動産取引はこのチェーンばっかりで、First buyer(初めて買う人)が少ないのが問題なんだとか。
しかも日本人みたいな貯蓄はしない傾向があるイギリス人。頭金が増えちゃったら当然出すのは厳しい。
この新型コロナの状況で一時期頭金5%のローンが軒並み全滅しました。
で、そのはしごに乗れない若者を助けようとShared ownershipというスキームが今あったりする。最近のロンドンの新築なんてSharedばっかり。

Shared ownershipは日本語でいうと「共同所有権」と言って、家の一部の所有権を買い(大体最近の新築は25%が多いのかな)、残りを家賃で払うというもの。メリットは何かというと、ローンを組むのは一部の所有権だけなので、頭金が少なくて済む。そして、普通なら手の届かない素敵な場所の素敵な新築の家*2に住める。必要に応じて所有権のパーセンテージを増やすことも可能らしい。
…でもね、このShared ownership、結構曲者だよなー…と思ったり。

まず、はしごに乗ることを目的としているために長く住むことはあんまり考慮されてないと思う。
で、ローン組んでも自分の所有権は一部だけなのに、初期費用(弁護士代やローン手数料)は普通に買うのと同じくかかるし、修繕費用の負担なんかは自分たちに来る(大体イギリスの物件はしょっちゅう壊れる)。
イギリスのフラットの場合はサービスチャージといって、多分日本でいうと…管理費?みたいなのかかるんだけど、素敵フラットだとこういうのがどんどん値上がりしていくということも多い。
爆笑したのが、Shared ownershipとその他の正規購入住人の入り口を分けてるフラットがあるとか。正規購入だと素敵なコンシェルジュ付き玄関なのにShared ownershipの住人は搬入口みたいなところから入れ、とか、イギリスの素敵高額フラットはジムとかプールとかがついているところも多いんだけど、使わせてもらえないとか(違法では?)。駐車場に車置くなとか。
一番問題なのが、はしごを想定しているのに家が売れなくなってしまった、という問題。
特にグレンフェル・タワー火災の後に火災に対してのリスク評価が厳しくなってしまい、まさかの購入したフラットが基準を満たしておらず必要書類が揃わず売れない…とか
他にもLease hold(不動産賃借権)の問題もあって、これを延長するのに更なる追加料金(結構まとまったお金)がかかる、延長しないと売れないのに延長するお金が払えない…とか、これは結構な問題になってて、法律が改正される模様。
大体、そもそもどこまで値上がりすんのさ…?これ崩壊したらやばくね?

とはいえ、知人の知人にはうまく利益を出した人もいて、悪いところばかりのスキームではないみたいなんだけど。
あと、古い物件の方がShare率が高いことが多いらしいっす。

イギリスに保証してくれる近しい親族もおらず、不動産も持っておらず、金持ちでもない移民一世な私たちにはロンドン住宅購入は大変だった。イギリスは住宅ローンでもローン審査が通らないということはごくごく普通みたい。また、最低でも永住権を持ってないと配偶者ビザでもローンを通すのは厳しいらしい。
我が家は夫婦2人永住権*3があること、2人とも2年以上同じ場所に勤めていること、もあり。もしこれが満たしていないようだとまずは「外国人のローンに詳しい」モーゲージアドバイザー(ブローカー)に相談することをお勧めします

現地にいる日本人からしたら笑われちゃうようなエリアなんですけど、最終的にはま、買えてよかったなーと…
私の日本円の預金を投入したので、円高ポンド安だったのもラッキー。

っていうかさ〜、そんなエリアのヴィクトリアンな建物でもない安っぽいフラットなのに、●千万円するとかさ〜…
日本の地元なら家建てられるっつーの…って500回は思った…。

*1:でも我が家の前の家の大家は凄くいい人で、家賃もお手頃で引っ越しもせずに4年過ごしたな…拝金主義の大家が多いロンドンでは珍しいかも…苦笑

*2:イギリスの場合は新築でも必ずしも良いとは限らず欠陥とかあったりするらしいけどね…

*3:私も既にPre-settlementのステータスで永住権相当の滞在許可があり、これが自動的にSettlementステータスに進む